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Misandry Blog

ミサンドリー(男性嫌悪)なブログです。

ホモソーシャルは人を殺す

逃げ道をふさがれたのはAくんです

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ホモソーシャルは人を殺します。一橋大学ロースクールに通っていた男子学生も殺されました。きっかけはアウティングです。アウティングとは、本人の許可なく同性愛者だと暴露することです。

www.buzzfeed.com

BuzzFeedの記事にならい、アウティングされた被害者を「Aくん」、加害者を「Zくん」とします。Aくんは2015年4月、LINEを通じて同級生のZくんに告白しました。

弁護士ドットコムNEWSの記事によると、二人は毎日のように一緒に食事をする仲だったそうです。

www.bengo4.com

Zくんは「付き合うことはできないけど、これからもよき友達でいてほしい」と答えます。しかし2カ月後、LINEのグループチャットに「おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ。ごめん」と投稿。すでに3人の同級生にバラしたあとでした。

Aくんはロースクールの同級生がホモフォーブ(同性愛を嫌悪する人)であることを知っており、自身の性的指向を明らかにしていませんでした。

当然、Aくんは深く傷つきます。Zくんと顔を合わせるとパニック障害の症状が出るようになりました。弁護士に相談したメールには「人生が足元で崩れ落ちたような気がする」と書かれていたそうです。

Aくんは大学のハラスメント相談室や保健センター、教授や職員に何度も相談します。しかし、大学側はAくんを性同一性障害と決めつけ、専門家による治療をすすめます。

さらに2カ月後の8月、大学でパニック障害の症状が出たAくんは保健センターに連れて行かれます。4時間後、Aくんが授業に出る意志を示したため、職員はそのまま送り出しました。その後、Aくんは校舎6階のベランダ部分にぶら下がっているところを発見されます。救助が呼ばれたものの、Aくんは転落して亡くなりました。

Zくんと一橋大学は、Aくんの遺族から損害賠償を請求されています。Zくんの主張は「恋愛感情をうち明けられて困惑した側として、アウティングするしか逃れる方法はなく、正当な行為だった」というもの。

Aくんは振られたあとも普段と変わりない様子で明るく振る舞っていたそうです。Zくんの逃げ道をふさいで交際や肉体関係を迫っていたわけではありません。逃げ道をふさがれたのはAくんです。

同性から告白されてどうしていいかわからない人がもしいたら、みやきちさんの記事をお読みください。とても参考になります。

www.ishiyuri.com

「女」になるぐらいならアウティングをするし、殺しもする

Zくんがアウティングを行った理由。それが今回の本題、ホモソーシャルです。ホモソーシャルとは、女性や同性愛者を差別しながら男性同士でいちゃいちゃする世界のことです。

有名大学附属の男子校や大企業の経営陣、エリート官僚などがキング・オブ・ホモソーシャル。共通するのは競争に勝った、という点。他人を支配したい男性にとって、「競争に勝つ」ことはとても重要なようです。仲間内でちんこの大きさ比べをしていた頃から何も変わっていません。

一橋大学は名門です。学生が女性に集団で性的暴行を加えた東京大学もそう。「競争を勝ち抜いた僕ちんは選ばれし民」という傲慢な意識があるため、女性も同性愛者も虫けらに見えるのでしょう。

ホモソーシャル・ワールドのスローガンは「男らしくしろ(女でいるな)」です。彼らが絶対に避けたいのは「女」、つまり「下」になること。

今回の事件で初めて知ったのですが、Zくんの言い訳をゲイ・パニック・ディフェンスと言うそうです。アメリカ・オハイオ州ヘイトクライムを起こした男性がまさにこれを主張したとか。

www.ishiyuri.com

スミス(注・犯人)の弁護士は裁判でこれらの行動の原因は「ゲイに口説かれたり、シャワールームでジロジロ見られたため」とする古典的なゲイ・パニック・ディフェンス(『ホモフォビックな暴力をふるったのは被告人がゲイに言い寄られてパニックし、心神喪失状態にあったから』として無罪を主張する戦略)を持ち出したものの、本当にそうだったと証明することはできず、スミスは有罪を言い渡されました。

「ゲイに遭遇したら襲われる」はヘテロ異性愛)男性の合言葉のようです。興味深いのは「襲われる」です。「襲われる」とはつまり、「下」になること。「下」になることは「女」になること。「女」になるぐらいならアウティングをするし、殺しもする。これがホモソーシャルです。

そもそも、Zくんはアウティングをしても自分は100%困らないという確信がありました。だから、わざわざLINEで被害者に報告した。仮に、Aくんが身長180cm超えの柔道有段者で喧嘩っ早い性格だったとしたら、本人に直接言えたでしょうか。

ZくんはAくんが絶対に危害を加えてこないと確信していた。なぜか。周囲の同級生が自分と同じホモフォーブだから。味方はいくらでもいる。敵はAくん一人。だから、安心してアウティングをした。Zくんには「びっくりするくらい卑怯でクズな人殺し野郎で賞」をお贈りします。

「動物」を殺せばパパンに褒めてもらえる

ホモソーシャル・ワールドでは、暴力的で粗野であるほど「男らしい(=優れている)」と見なされます。「力」こそが「男らしさ」の証明だからです。「力」のない男性は、女性と同じように人間として扱われません。ですから、男性は「男らしさ」の証明のために率先して人を殺します。

たとえば、先日起きた相模原障害者施設殺傷事件。犯人にとっての障害者とは、助けがないと何もできない「無力」な存在。「男らしさ」とは対極。衆議院議長に宛てた手紙にあったように「動物」でしかないのです。そして、「動物」を殺せばパパン(安倍晋三)に褒めてもらえると確信していました。

ホモソーシャルジェンダー研究者のイヴ・K・セジウィックが提唱した概念ですが、日本でも古来から家父長制として存在しています。偉いのはパパン。パパンが気に入らなければ、母親や子供は家から追い出されます。昔は、不妊症の女性は離縁され、素行の悪い子供は人別帳から外されました。どちらも人間扱いされません。

差別の元をたどっていけば、そこにはホモソーシャルがあります。ゲイが差別されるのは、女性を支配する男性こそが「男」だからです。レズビアンが差別されるのは、男性に支配される女性こそが「女」だからです。その他のセクシュアル・マイノリティも「正しい男/女」から外れるせいで差別されます。

女性が差別されるのは「非男」だからです。女性が年齢で差別されるのは、「男」にとって新鮮なまんこ以外は価値がないからです。女性が外見で差別されるのは、「男」にとって美人以外は価値がないからです。若くて痩せてて胸が大きくておしとやかで美しい女性が差別されるのは、「非男」だからです。

ホモソーシャル・ワールドでいちゃいちゃしたい男性には、豊富な図解入りの『フェラチオ教本』をおすすめします。1冊いかがですか?

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相模原障害者施設殺傷事件についてはこちらをどうぞ。

misandry.hatenablog.com