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Misandry Blog

ミサンドリー(男性嫌悪)なブログです。

こじらせ男子またはうさぎボーイ(上)

既成概念は万人を不幸にする

ミソジニーの訳は女性嫌悪ですが、個人的な印象はむしろ憎悪ではないかと思っています。たとえば、この記事に寄せられた男性Aさんのコメント。

toyokeizai.net

良いとか悪いとかじゃなく、会社にとって事実上迷惑であるし、周囲にしても迷惑そのものだ。実際に人数としてカウントできないのに、会社はカウントしないといけないし、当然カウントされている以上、経費として存在するわけだから部署には代替人員を配置できない。そうなると周囲の人間は居ない人間の負担を強いられる。馬鹿でもわかることだよね?だから、産休だの育休だのというのは制度として存在しても、使われると困るし、結婚や妊娠で退職してもらいたいわけだ。というか、女性が活躍するなら女を捨てるしかないよ。女を捨てますか? それとも女を取りますか? どちらかにしてくださいって話。

筆者の女性(中野円佳)は記事の中で、産休・育休を取れない日本社会の構造的欠陥を指摘し、対策を提案しています。寄せられたコメントは、AさんがFacebookのアカウントを使用してMSNのサイト上に書き込んだもの。つまり実名。

Aさんはわざわざ実名をさらしながら、中野さんの指摘を「良いとか悪いとかじゃなく」という謎理論で真っ向から否定。主張を要約すると、「穴埋めのために負担を強いられるのは男なんだから、女は産む機械として覚醒したらとっとと退職しろ」。

Aさんの会社で代替人員が補充されないのは、経営者のモットーが「1にお金、2にお金、3、4がなくて5にお金」だから。しかし悪いのは、産休・育休を取って男性に負担を強いる「人間未満」の女性。おそらく、育休を取る男性社員も、Aさんの中では「産む機械」のしもべとして「人間未満」にカウントされるのでしょう。

身体障害者精神障害者もAさんの足を引っ張るので、妊婦や子持ち女性と同じく「人間未満」ですね。

「俺様の邪魔をする奴らに働く資格はねえ!」という極端な利己的考えに基づけるのは、Aさんが神様だからでしょう。さすが、八百万の神のいる国、日本。今時の神様は会社に勤めながら、女性社員に「女を捨てますか?」と基本的人権の放棄を迫るようです。

いずこよりいまし荒ぶる神とは存ぜぬも、かしこみかしこみ申す。この地に塚を築き、あなたの御霊をお祀りします。恨みを忘れ、鎮まりたまえ。

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「汚らわしい人間どもめ。我が苦しみと憎しみを知るがいい……」って言いながら腐る前に、この世から差別をなくしていただけませんか。今すぐ。神様なんですから朝飯前ですよね?

初めてAさんのコメントを読んだ際、石の下で蠢くダンゴムシを見た時のように気持ち悪いと思いました。気持ち悪さが引くと、なぜ男性は女性に対してこんなに憎悪をむき出しにするのだろうかと不思議になりました。

その疑問を解消するために始めたのがこの「Misandry Blog」です。

では、いってみよー。

菊千代精子場をぜひ世界遺産

男性は物心がついた頃から「男らしくしろ」と教えられます。

「僕、男の子なんだから、泣いちゃだめでしょ」
「男のくせにグチグチ言うな」
「おい、いつまでも女々しいぞ!」

こんなことを言われ続けると、男性は下のような結論に至ります。

1.「男らしい」は「非・女らしい」ことである。
2.「男らしい」は常に「女らしい」より上である。
3. よって、女を下に見てこそ男の中の男である。

既成概念が太古の昔から女性差別をせっせと再生産していたんですね~。怖いですね~。既成概念は万人を不幸にするがわたしの持論です。

幼い頃から「男らしくしろ(女でいるな)」と教えられてきた男性は、成人する頃には女性への憎悪をこじらせるようになっています。タイトルのこじらせ男子です。日本人男性の大半はこじらせ男子ではないでしょうか。

「男らしさ」はいろいろな場面で要求されます。がさつに振る舞えるか。たくさん食べられるか。男性器は大きいか。酒は強いか。都市部から離れるほど「男らしさ」のむちゃぶり度が上がる傾向にあります。

「男らしさ」とはつまり、オスとして優秀か否かの証明です。第二次性徴が訪れると、男性器の大きさ比べなどが始まり、それは脱童貞競争に発展していきます。より多くセックスできる男性こそがオスとして優秀であるという既成概念ですね。

既成概念だという時点で疑うこともせずに真理だと思い込んでしまうんですね~。怖いですね~。

わたしの母は菊千代(仮名)という柴犬を飼っているのですが、彼は生まれた時からケージに入れられ、種付のために外出する以外はずっとそこで暮らしていました。年老いて用済みになった菊千代は保健所で処分されそうになりましたが、ボランティアの男性が保護し、今は母のもとで悠々自適な生活を送っています。

男性はいかに大きな性器を持つか、子孫をたくさん残すかが永遠の課題のように見受けられますが、生物学的な役割だけが評価の対象であるなら、種犬として外の空気もろくに吸えなかった菊千代がどの男性よりも優れたオスではないでしょうか。

こじらせ男子爆☆誕!

話がそれましたが、モデルケースはざっとこんな感じです。

自分より「下」である女性が自分を恋人候補として見てくれない。

そのせいでいつまでも脱童貞できない。

オスとして全否定されている。こんな侮辱はない!

性的欲求の対象は女性であるのに、女性が憎くて憎くて仕方がないこじらせ男子爆☆誕!

男性は異性愛者であるという前提で話をしてきましたが、同性愛者の男性*1はマイノリティであるが故の苦難の人生を歩むので、シスジェンダー性自認が一致)のヘテロ異性愛)男性とは完全に別物です。自分は「男性が好きである」と自覚した時点で、「男性は女性が好きである」という既成概念との終わりなき闘いに身を投じることになるんですから、そりゃヘテロ男性の想像を絶する大変さです。

うさぎボーイ

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ところで、こじらせ男子はうさぎボーイでもあります。日本ではうさぎといえば、会いたくて会いたくて震えた末に死ぬというデリケートなイメージですが、欧米では性欲旺盛と多産の象徴です。子宮がないので多産を省くとして、デリケートで性欲旺盛はまさしく男性のことではないでしょうか。もちろん個人差はあります。Aセクシュアル(無性愛)の男性もいます。

男性は「男らしくしろ(女でいるな)」と教えられてきたため、性別が男性であるというだけで自分は秀でた人間だという錯覚に陥っています。根拠のない自信ですから、砂上の楼閣です。

恋愛絡みで初めて挫折するのは十代後半あたりでしょうか。個人差があるので、年齢ひとけた代で挫折する人もいるでしょう。誕生日から挫折記念日までの期間が長くなるほど、男としてのプライドは伸び続けます。

挫折は恋愛絡みとは限りません。学校の成績が落ちる、あるいは野球やサッカーのレギュラーになれなかった。100人いれば100通りの挫折があります。

挫折が悪いわけではありません。挫折しなければ平気で人を傷つけるクズ野郎になります。繰り返しますが、悪いのは既成概念です。セックスできない、いい成績を取れない、試合で活躍できない。これらは男として失格だという既成概念に囚われた時点で、こじらせ男子まっしぐらです。

シンデレラ城・イン・砂ランドは簡単に崩れます。宝箱にしまわれているガラスのハートも一瞬で粉々になります。ハートを修復するためには長い時間と労力がかかります。修復期間中はまともに人生を送ることもできません。

しかし、ハートを瞬時に復活させるチートがあります。責任転嫁です。誰とも付き合えないのは女どもに見る目がないから。成績が伸びないのは教師の教え方が悪いから。試合に出場できないのは先天的な身体能力のせい。

このチートは万能です。てかドラッグです。一度手を出すと、やめられなくなります。最悪、自分の人生がうまくいかないのは全部女のせいだ!という妄想に取りつかれてしまいます。

モデルケースはモテないことがきっかけでしたが、挫折がなんであれ、憎悪は女性に向かいます。女性は男性より常に「下」にいる「弱い」存在だからです。性欲旺盛ゆえに溜まりに溜まった精液を吐き出すかのごとく、鬱憤をぶつける相手として最適です。人によっては全部在日のせいだ!という妄想に取りつかれています。これがうさぎメンタルなんですね~。かわいそうですね~。

こじらせ男子には性欲に支配された性欲ゾンビがいます。詳しくは(下)で。

misandry.hatenablog.com

*1:セクシュアル・マイノリティは同性愛者だけではありませんが、ここでは割愛