Misandry Blog

ミサンドリー(男性嫌悪)なブログです。

ドリーム 私たちのアポロ計画→ドリーム

NASA無名英雌

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(注・この記事の9割は6月9日の邦題変更以前に書かれたものです)

映画『Hidden Figures』の日本公開が9月29日に決まりました。邦題は『ドリーム 私たちのアポロ計画』。『アポロ13』の邦題を『ディスペア 僕たちのマーキュリー計画』にするような暴挙。関係者全員ドタマぶち抜くぞ。

邦題を知ったのはひと月前の5月なんですが、以来、後頭部を強打したまま起き上がることができません。生きる力をすべて奪われたような絶望感。

わたしがなぜ『Hidden Figures』にこだわるのか。理由はこちらに書いています。

misandry.hatenablog.com

読み返したら映画の説明が意外とわかりやすかったのでセルフ引用します。

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アメリカ人として初めて地球の軌道を周回した宇宙飛行士、ジョン・グレン。彼を支えたのはNASA(1958年まではNACA)で働く3人のアフリカ系アメリカ人女性でした。この映画は、2015年に大統領自由勲章を授与された数学者、キャサリン・ジョンソンとその同僚、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンの活躍を描いた物語です。

主要登場人物が実在の女性科学者3人と知った時点でものすごく気になっていたんですが、このシーンを観て面白いに違いないと確信しました。

眼鏡をかけている女性がタラジ・P・ヘンソン演じるキャサリン・ジョンソンです。以下はキャサリンのセリフの日本語字幕。WOWOWの無料番組『Hollywood Express』からの引用です。

実を言うと 私―
ウェストバージニア大卒の黒人女性 第一号です

今まで毎日―
排気や摩擦に関する速度測定を研究して―
1万通りの計算をやりました

だからNASAは女性を選んだんです

色気のせいじゃない

頭がキレるからよ

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かっこいい~。

Hidden Figuresを直訳すると「隠された計算」。映画「Hidden Figures」は、女の子たちをSTEMヒーローの道へと誘うによれば、「知られていなかった重要人物たち」という意味もあるそうです。

ちなみにマーキュリー計画とは、アメリカ初の有人宇宙飛行計画のこと。邦題にあるアポロ計画とは、人類初の”月への”有人宇宙飛行計画のことです。

マーキュリー計画 - Wikipedia

アポロ計画 - Wikipedia

映画には宇宙飛行士のジョン・グレンが出てきます。下の握手をしている男性がそう。

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本国の公式サイトに載っているあらすじには、マーキュリー計画以外のことは書いてありません。ジョンソンの退職は1986年ですので、アポロ計画にはもちろん関わっています。カタカナにすればいいだけの原題でもありません。とても頭を悩ませたのでしょうが、悩ませたまま思考を放棄したとしか思えない。

こちらは実際に鑑賞した方のツイート。

こちらは中国版のタイトル。(追記:中国本土版ではなく香港版でした)

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わざわざ英雄じゃなくて英”雌”にしてるんですよ。もう邦題これでいいじゃん。

配給会社がここまで横暴になれるのは、中の人たちが映画にもタイトルにも価値はないと考えているから。「ただのがらくたを俺たちのセンスで生まれ変わらせてやんよ」とでも思っていなければこんなことはできない。

「そんなこと思ってないもん!」という言い訳は通用しません。現に横暴なことをしているんですから。

加えて、『Hidden Figures』は女性の物語です。男性の物語なら絶対に『ディスペア 僕たちのマーキュリー計画』なんて邦題はつけないでしょう。20世紀フォックス映画はこれ以上ない侮辱を『Hidden Figures』に対してぶちかましました。「ここまでわかりやすい邦題じゃなきゃ女は観ないだろw」とでも思ったのでしょうか。

日本人のセンスひと匙で驚きのダサさ

ところで、婦人参政権を命がけで訴える活動家の物語『Suffragette』の邦題が『未来を花束にして』だと判明した際、Twitter上で #女性映画が日本に来るとこうなる というタグが作られました。

そのタグをまとめたものがこちら。

togetter.com

このまとめを見るとよくわかるんですが、配給会社が女性向けだと判断した作品は、邦題にことごとく「愛」だの「恋」だの「幸せ」だのが入れられます。内容とどれだけ乖離していようが関係ありません。また、ポスターはことごとくキラキラしたりピンクになったりします。

その被害をもっとも被っているのがおそらくジェシカ・アルバ

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日本人のセンスひと匙で驚きのダサさ。ジェシカ・アルバは生まれた時に魔女から「日本でクソださい売り方をされる」という呪いをかけられたのでしょう。呪いが解ける日は来るのか。

しかし、こうやって並べてみると、配給会社の人間がふんぞり返りながら「女は愛だの恋だのが好きなんだろw」「キラキラとかピンクが好きなんだろw」と鼻をほじっている様が目に浮かぶようです。

※6月9日になってから書いた部分は以下です。

『ドリーム 私たちのアポロ計画』が『ドリーム』に変更されました。

www.itmedia.co.jp

比較画像を作ったりしてたらこれですよ。もうさ、NASA無名英雌でいいじゃん。